前ページ   遭難か?

北アルプス山行
常念岳・蝶ヶ岳
Vo,2    (2007年10月16日) 
コース→ 三股Pより 前常念経由常念小屋(泊)〜蝶ヶ岳から三股Pへ 
山小屋まで歩けるとは思っていたが 最悪な状態になったら本当にビバークになってしまう。
ビバークする安全でよさげな場所を探しながら歩くが まったく安全なビバーク場所が見つからない。 

足裏感覚で人の踏み跡を見極め 踏み跡を外れては戻りまたコースを探し 
踏み跡を外れては戻りの くり返しで 常念岳山頂手前の標識を発見。

標識を右へ 常念小屋方面へ、戻りつ進みつ 下ること約1時間。 
下に かすかに光がボヤ〜っと見えた。
「いや、ライト付きGz1の明かりが 自分の目の残像として写ったのかも知れない。」と思うほどの光だ。
それも束の間だった、常念小屋と思われる場所だ、しかし ほんとに一瞬で濃霧は視界を奪う。
初めての山では下にくだる事は 崖に出くわす事もあるので 遭難の一歩とも思っていた。
反面「ビバークする場合 低い場所に安全なところが有るかも知れないし 寒さ対策にも良い」と思い 注意しながらさらに下へ下る。

常念岳山頂方面から下りは道を外すと、崩れるようなガレ場だが、転ばないように慎重に進んだ。 
すると、霧が束の間薄くなり 横通岳と思われるシルエットが一瞬見えた。
微かに 山小屋(常念小屋)の明かりが 時折だが「ぼや〜っと」見える。
ライトの光で「自分の目の残像か?」とも思われる かすかな光だ・・・

横通岳のシルエット
さらに時間を掛けながら下ると、霧の中 UFOか宇宙船が飛んでいるような幻想的に 瞬いている明かりが見え始める。
「かっこいい〜」と思わず思った。

なんと心強い事か、山小屋の明かり!霧の合間 下に数分ごと明かりが見える。
9時30分常念小屋着、12時30分三股出発で、なんと 9時間の山行に成ってしまった。
小屋に着いたが、みんな寝ていて 山小屋は静まりかえっていた。 
自分の装備を出しウイスキーで一息入れた後 談話室で寝ていたら従業員の方が 偶々起きて来た。
それからまた一杯やり 暖かい布団で「おやすみなさい」と 相成りました。

翌朝 心配かけた事を詫びると 「良かった」と言って下さりました。

教訓
今回テントは無いが、ビバークできる装備が有ったので パニックにならずに行動が出来ました。
 (灯・シュラフ・透湿防水シュラフカバー・レスキューシート・食料→スコッチWとチョコレートなど)

!盲点でした
・濃い霧の時はヘッドライトは不向き、下に書いてあるマークが見えにくい場合が有ります。

自分に言い聞かせることとして・・・・
今回のように買ったばかりの本でも廃道も記載されてる場合があり 臨機応変に対処しましょう。
出かける前に新しい情報を入手し 山行イメージを付けましょう。(イメージは出来ていたみたい)
距離も短いこともあり 一回もコンパスを必要としなかったのは 地理的なことは大体頭に入っていたのです。
朝立ち 早着を基準とします。
確実な行動力の自信が有れば ナイトハイクも良いですよね。(場所にもよるが 無難なのは明るいうちの行動ですね)
さて一夜明け 食事を済ませ6時30分出発することにした。
此方の山は常念岳方面  

写真は
←横通岳

←夜、ここを下りました。
谷は霧とあいまって 
暗黒の世界に下るようでした。
早朝6時30分、常念岳に向かって出発
ふと振り返り 夜ここを降りたが 今日は霧もほとんど無く
40分位で降りられる所を 昨夜は倍の時間がかかりました。

前常念で 濃霧の中、踏み跡でない ぐらついた岩に乗り
飛び降りた際 むこうずねを打ったが、大した怪我も無く
本当に 骨折しないで良かった。

ビバークは 結果的にしなかったが、
←の霧氷が 寒さを物語っている。
今日は太陽が出ていて とてもすがすがしい。




←(ビバークしていたら死なないにしても 結構寒かったかも)
澄んだ空気と 日差しが気持ち良い常念岳山頂
←祠(ほこら)の横
写真で見ると 緩やかな稜線に見えますが、数百メートル下がり また登りと ビックリするくらいの高低差がありました。

傍にいたパーティーの方々も「え〜っ こんなに下るの〜」と 
下を見て 驚いていました。
最初の下りは400m位です・・・

私には たかが尾根歩きでも普段の無養生が祟る(たたる)。
年配の方が結構健脚で     
自分を追い越して行くくらいです。

なさけない・・・
紅葉期です。
まだまだ続く 尾根歩き

なんと
次の瞬間
← これがたった 5歩
歩いた瞬間です。

次の瞬間には 岩も見えなくなる位 雲が走っている。
  
蝶ヶ岳の三角点(高さをきめる基準点)付近
蝶ヶ岳の山小屋を過ぎ 左(東側)に下山ルートがあり 蝶ヶ岳で食事を済ませた後 下山しました。
三股まで8km位は有ると思われる。 

雲(霧)の樹林雨が やがて本格的に雨模様になってきた。
足元の岩、丸太、木の根、落ち葉、全て滑るので 転ばないように歩く。
普通でも下りは足にきますが、滑るところはなおさらです。

川も増水して 最後、三股に着く寸前 回り道をしました。(きつ〜)
2時に蝶ヶ岳を出発し 三股5時30分着 時間かかりすぎです。

帰りに「ほりでーゆ〜・四季の郷」で体をほぐし 帰路に着きました。

10時30分帰宅

床屋でチョッとネタ