Q3 (キューVo,3) 松久君ことキュー
親と住むのが気まずくなり、アパートで一人暮らしを始めたキューちゃん。
アルバイトをさっそく見つけました。
大学の利用駅から 程近い駅の 近くにある牛丼屋で、牛丼どもども(仮名)で アルバイトに精を出す。
生活も貧しいながら安定をしてきた、そんな ある日、ふと店の新聞広告に目が止まる。
「なになに・・・ジャンケンで車がもらえる・・・よおっしぃ!」
近くにある中古車屋が開催するイベントに狙いをつけ 鏡を見ながらジャンケンの練習もした。
待ちに待ったイベント当日、早く行って気合を入れようと、イベント会場である中古車屋に向かう。
一時間も早くついたキューちゃんに、愛想良く「どうぞこちらでお待ちください」と勧められ、事務所に通される。
雑談の中で出身地、住所、など聞かれていた「どちらから いらしたのですか」「あっ、そーですか」てな 具合だ。
パソコンにどんどん 勝手に入力されていく・・・・「なぜ?」。
イベント開催時間まで後30分「おかしいーですね、いつもなら沢山集まっているのですが」・・・・
お客が一人も来ないのだ、店の人は駄目押しで「いつも5分ぐらい前に大勢集まりますから・・・」
と言ったきりパソコンに向かう。
「エーお名前は・・・松0Qさんでしたね〜」独り言のようにパソコンにキューのデターを打ち込み、小さな声で「よしっ」と確かに言っていた。
5分前になっても、一向に客が来ない・・・・・
開催時間になった瞬間、「決まりましたねー!」 キュー「エッ・・・・車も見てないですよ〜・・・」
「あッ、裏にありますから、どうぞ」と 促され店の裏に回ると、店員は一台の車を指差す。
「あちらです・・・」
その指差す車は確かにキューが欲しいと思い狙いをつけたステーションワゴン(ブルーバードワゴン)だ。
だが、何処となく傾いている「チョッと 傾いていませんか?」と水を向けると、店員は「ちゃんと整備してからお渡しします」との返事、それならばと 本契約となった。
ただの車のはずが車検代と部品代を取られ、23万円余り支払う、だがそれだけでは無い。
車を所有するにはまず、駐車場が必要で、さらに警察に車庫届をしなければならない。
さっそく駐車場を借りに行くが、アルバイト学生にはチト高い駐車場代金だ。
が、そこはそれ、早く車が欲しくてたまらないキューちゃん、ためらいもなく借りていた。
だが、駐車場の礼金を取られるなんて思っていなかったらしい。
カンカンでこの話をしていたキューだが、納車が2週間後らしい「随分遅いねー」と店長が不思議そうな声を出し、キューに尋ねるでもなく言葉にした。
「じゃ、今度は車見せてね。」 キュー「車来た時見せに来ますよー」と、帰っていった。
だが、3週間経っても見せに来ない、嘘をつく奴ではないし、「どうしたんだろね」と従業員と話す。
暫くしてから、またカットに来たキューに「例の車(ブル)で来たの?」と尋ねると・・・・
「いやっ、あの車返しました・・・」 「なんで?」 「エンジンから異音がするので見て貰ったら 暫く預かると言われ、暫くしたら中古車屋から電話でキャンセルされました。」
「えー向こうからキャンセル????」 「はい、今日お金 全額返してもらいました」
「聞いた所10年以上経つ車でしょう、これで良かったじゃない。」と、店長フォローするが、・・・・
心なしか元気無く 帰る キューちゃん「元気出してよー」
「あっ」 「駐車場のお金、キューは払っていたのに1〜2回しか乗ってないんだ・・・・」と、気づく。
二ヵ月分は払っているだろう、礼金も戻らないし・・・・かわいそうなキュー
ジャンケンイベント・・おそるべし・・・