勉 目撃   (硬い髪、やわらかい髪)
 
男性がコテでアイロンパーマ(アイパー)や、パンチパーマを掛けるのは単に髪が硬いだけではなく、手入れが簡単になるからだ。

男性の多くは髪が硬い人が多く、比較的髪のやわらかい女性にしてみれば パンチパーマは 考えられない位髪の毛が痛みます。

ですがチョッと付け加えると、当店(カンカン)に関しては、少数だがアイロンパーマをかける女性がおります。
その女性の髪がやや硬い事もあるが カンカンでは毛髪を痛ませないように 掛けることが出来るからです。

当店に来られる 女性のお客様は「も〜美容院に行きたくない」と言います。
なぜか質問をすると一応にして決まった答えが返ってきます。

美容院で必ず「髪硬いですね〜・・」「髪が多いですね〜」と 髪が硬い人は 言われ続けてきたようです。

裏を返せば、本当は美容院に行きたいのです、上記のような言葉を浴びせられなければ・・。

全ての美容師(美容院)が悪いわけではないですが、女性でも男性並に髪が硬い方と つい口に出てしまいますよね。

美容師の方怒らないで下さいね、一回くらい過去に言った経験がありませんか?

その度(たび)に 心を痛めて、いやな思いをしてきた方も 実際にいると言う事です。
(技術者の技術が足りないのを棚に上げて言っているのだが 気付くまい)

女性の髪が硬いのは大変なのはお解りでしょうが、男性の髪がやわらかい場合も困る事があります。

男性の場合 髪質よりもヘアースタイルが気になります、髪が多少痛んでもカッコいいヘアスタイルが優先されます。

髪が痛んでもハゲる事につながりません、昔「リンスをしないと禿げますよ」とTVで言っていた人がいましたが、デマです。

アイロンパーマは髪が痛むと言う説が定着していた頃(あまり痛まない技術がありますが)
一時期(昭和50年前後)、アイロンを掛けずにヘアースタイルを整える技術が 一部地域ではやりました。

そんな時代、勉君が目撃したアイレスの顛末。

アイレス、知らない方が多いと思いますので説明します。

薬品だけで 立っている髪を寝かせる事ができ、ある程度の形になり 手入れが楽になるというものです。

薬品はパーマ液のような物ですが かなり粘りがあり ジェルやワックスみたいにスタイルを形付けます。

そのスタイルを保つように2剤を使い固定します。

勉の勤めていた理容店の店長さん、アイレスの技術講習会を受講してきた。

早速 アイレスに必要な薬品を買い揃えて、早く アイレスを試したいと 練習台を探していた。

店長さんが選んだ人は 店長さんの友達で、頭の毛は全体的に細くやわらかい、簡単に言うと頭が薄いと言う事ですが。

チョッと見 やくざみたいなその人は、コテより髪が痛まないと説明を受け喜んでいた。

髪がやわらかいので 粘り気がある薬をつけると 地肌にぺったり髪がくっつき、ますます人相が悪くなっていた。

一通りの事が終り帰っていったが、なんか妙な感じだ、ボリュームがない。

ペッタリとしたヘアスタイルだ。

何とか ドライヤーでカッコをつけていたが、手入れが楽になったと言うより ますます手入れが大変に成った感じだ。

その次の日、納得がいかないのでしょう、やくざ風の店長の知り合いの人がまた来た(もと刑事だったらしいが)。

笑っては悪いが 刷毛で描いたような髪で、張り付いたようなヘアースタイルが面白い、毛が少ないのも相まって まるで海苔を頭に貼り付けた色白の蛸(たこ)。

しかも、それだけではない 余り見ないようにしていたが、所々毛が無い ハゲが出来ている。

薬で毛が切れてしまったみたいだ、昔アイロンパーマの失敗で 毛が焦げて まだらにハゲたお客さんがいたが 今回は 根元から全く毛が無い部分がある。

店長と何か話をしていたが 次の瞬間に一番短いバリカンを店長が入れていた。

まるっきりハゲ頭、やくざ風の風体に似合っていた。

それ以降 店長がアイレスを掛けているところは 見た事がないと、勉くんが言っていた。


   床屋がチョッとネタ