アートヘアー カンカン 理容店 さっさと スライド写真を見る・〔人物顔ボカシ入り。〕

起こし太鼓祭り(おこしだいこまつり) ユネスコ無形文化遺産

飛騨の祭りと言えば高山が有名だが、それに劣らず見逃せないユネスコ無形文化遺産の祭りである、
古川祭、起こし太鼓、高山から高山本線で北に三つめの、飛騨古川のお祭りお話です。

それは,一年前の祭りが終わった翌日から、来年のため各家庭の積立貯金や準備で始まる。
 
つい最近までの話として聞いたが、起し太鼓を二階から「見せてください」と頼まれ、まったく知らない他人様を 家の中へ案内し、更に酒を勧め、やがて話が盛り上がり、更にごちそうを振舞う、

その人が酔いつぶれ寝込んでも、朝ご飯を食べさせるときに 始めてその人の素性を聞くなど、なんとも飛騨の方々の豪気さと、人間性がうかがえる。

現在では世の中が、嘆かわしいが物騒に成って来たせいだろうか、さすがに まったく知らない人は 招き入れなく成ったそうです。
もっとも、むかしは 町の中全体が顔見知りに成っていた様で、今の時代とは大分違うようです。

何人もの人に ご馳走する為、資金の捻出は、祭りの為だけに 郵便局で起し太鼓貯金とやら一年間貯蓄をするそうだ。

さて、祭り自体は、この地方独特の獅子舞から始まる。

寄付集めに各家庭を朝から回り、朝から獅子舞が見られて、否が応でも祭り気分。
通常二人で行う獅子舞だが、ムカデ獅子なる 六つ足(3人)の獅子舞も面白がって行う時がある。

しかし、家の中では、一人獅子舞を舞っていたが、もっとも家の中で、激しい獅子舞を舞われてはたまらない。
【ムカデ獅子の激しい舞い方とは、少年の頃住んでいた横浜中華街の 獅子舞の舞踊に似ているのだ。】

祭りの夜、サラシ姿の若い衆が、町内のつじ辻で焚き火を囲み、独特の節回しで歌う囃子歌か・・・
何処と無く懐かしい歌で、母親が口ずさんでいたような不思議な感じがする。

そのせいか この地方で生まれ育ったわけではないのに、どこか郷愁を覚える。
 
男たちが、2mぐらいの高さで 燃え上がる焚き火を囲み、ゆらぐ炎に照らされ、一升瓶の酒を手に 皆で飲み回し、怪我をしないように体に吹き付ける。
その様子が、明るい炎に照らされた男たちの歌に心を掴れ、影とシルエットが揺らぎ幻想的でもある。

メイン広場には起し太鼓が待機し、人が溢れ、コイが泳ぐ水路がある小京都と呼ばれる町並みが、提灯で照らされ日本独特の街並みを更に美しく見せてくれる。

各、町内の辻辻で炎を囲み 唄っていた若者たちが、程よい時間になると、起こし太鼓のある広場に集まる。

町内独自の「つけ太鼓」と言う 小ぶりの太鼓が柱(丸太・直径約12p)に 縄で括り付けてあるその柱を担ぎ、一町内7,8名で、町内の数だけ集まって来るのだろう。

つけ太鼓は神聖な物であろう、ふざけて脇から太鼓を素手で叩いた奴がいた。 
酔っ払いの観光客と思われるその親父さんが、水路で鯉と仲良くしていたのは、何とも こ気味良い。
(いやっ、鯉にとっては迷惑かも)

つけ太鼓の掛け声は「わっしょい!わっしょい!」とか、「何丁目!何丁目!」とか色々だ。

祭りによく使われている掛け声の「わっしょい」、私は「ふっ」と頭をよぎった事がある。

「わっしょい」を分解すると、青森県の方言で「わ」は→「自分」、「しょい」は→「背負」としたら、
「わっしょい」は「私が背負う」となり、単なる掛け声が、「私に任せなさい、責任を持つよ」と成ると、良い掛け声だと思える。

広場で待機している起し太鼓は、上に太鼓をたたく人が二名、落ちないようにさらしで背中合わせで馬乗りに固定されている。
      
  決め技のトンボ

つけ太鼓の面々は、木遣歌に似た歌を唄い、消防の出初式に行う梯子乗りの様に、
立てた柱の上で、「とんぼ」と言う技を決め、他の技も披露していた。

そろそろ「打ち出し」の時間だ、若者たちが緊張している。
屋台を引くときにも歌われる、木遣りの唱和に、「日本人でよかった」と感じるのではないだろうか。
長いバチが振り下ろされ、「ドォーン」 「ドォーン」「ドーン」「ドン」「ドン」

大きな起こし太鼓の太鼓の音、波動が腹にくる、始まった。

提灯を持った男と 太鼓にまたがる男、約十人くらいの人間を載せ 起し太鼓が走り出す。

さらしを巻いた男らが、つけ太鼓を担ぎ、一斉に各町内へ戻り、起し太鼓を待ちかまえる。

起し太鼓が来ると、起し太鼓に一番近い位置に着けるようにと割り込むために、起こし太鼓に向かい走り出す。

起し太鼓の後ろに柱をぴったり寄せる事が、その町内の誇りか、われ先と 他の町内や若い衆との攻防が始まる。

起こし太鼓の祭りは、けんか祭りと言われる事もあり、実際に見るとその迫力に圧倒される。

走り回った後は、お決まりの大宴会(スライド写真参照)・・・・呑んだ飲んだ、いや、呑まされ食わされ。

翌朝・・昨夜の喧騒とは打って変わって、古式豊かな静かな祭りと一変する、飛騨高山祭りと同じく 屋台を引き広場に集まる。

屋台の種類は何種類かあり、飛騨の匠の彫り物(彫刻)が施された屋台は、まさに豪華。

木偶(でく)と呼ばれる操り人形が、屋台の上から突き出た橋の上で、瞬時に離れた場所に飛び移り、再び動く技を披露する。

また、屋台の上で紙吹雪を飛ばし鶴を飛ばす(出す)福禄寿の木偶や、舞を披露し 瞬時に変身をする木偶。

また屋台の上に舞台があり、舞台の上から下見ると可なり高さだが、子供が歌舞伎を演じていたりする。
(当時、演目は弁慶と牛若丸だった)

この屋台【やたい・(山車「だし」とは呼称しないようだ)】

古川の 起し太鼓祭りは昨今の祭りが祭日に移行するとは違い、厳格に日決め(ひぎめ)で行う祭事であり、観光化に媚しない事が嬉しい。

スライドショーの写真がありますが、殆ど宴会の写真、(ボカシあり) 写真を見る 。



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床屋がチョッとネタ